運命の人
あの時、夢のように勇気を出して手を繋いでいたら未来は変わっていたのだろうか?
デートはサクちゃんから誘ってきたし、 助手席のドアを開けてくれたのは、後にも先にもサクちゃんだけ。
私に少しは好意があったということだろうか?
私はドキドキしっぱなしだったけど、サクちゃんはどういう心境だったのだろう?
携帯番号変えなかったら、サクちゃんからメールが来ていたかもしれない。
サクちゃんは今どうしてるかな?
そんなことをグルグルと考え、終わりの見えない思考を止めるためにため息をついていたのだった。
しかし、ちょっと気を緩めると無意識にまた思考の渦に飲まれ、何度となく繰り返していたため、美弥子に誘われ今こうして2人で飲んでいる、というわけだ。