ウエディング

私は元彼に飽きたせいか、頻繁にメールしてくることを紛らわせるために今人気のサイトを開く頻度が高まった。
暇さえあれば更新し、暇さえあれば人の日記をチェックする。
最近はそれが楽しみの一つ。
恋なんてめんどくさいとも思ってしまった。
元彼の完全な振り方がわかるまでの辛抱だと思うのが私にはやっとだった。
それは少しの安らぎを求める私の最大なあがき。
私はいつしか毎日のようにサイトに目を通す癖がついていた。
何日間かした時ばったり元彼からの連絡は途絶えて安心をしていた。
また元の生活をしようっとしたが出来なかった。
うち、ホントは好きだったんだ・・・
そう思ったのは遅かった。
自分はとてつもなく後悔をし始めていた。
うちにとってあいつは大きかったよ・・・
その日から私は崩れ始めた。
毎日泣き叫び、毎日リストカットをする。
なんで？
どうして？
なんで別れたんだろ？
その質問の繰り返し。
自分がおかしくなるのがわかった。
うちが初めて恋をした人を失った・・・
なんでこんなこと・・・
また切った。
落ち着けるはずがない。

そんなある日一通のメールが届いていた。
元彼からかと期待していた半面怖かった。
開いてみるとサイトからの一通の友達希望のメールだった。
そのメッセージの内容はこうだった。

「よかったら俺と友達になろ？俺は弘樹の先輩なんだけどさ。よろしくな！」

その一通のメール。
見ず知らずの人からの一通のメールに驚いた。
でもその時私はなぜかOKというボタンを押していた。
無意識と言っていいほど朦朧とした中での判断だった。

その日初めてまともに男とメールをした。
名前、性格、好きなこと、好きなもの。
すべてにおいて聞いて、話した。
いつしか惹かれるのがわかった。
ほんの少しの好奇心が私を動かしていた。

「片瀬疾風・・・」
思ったらいつの間にか名前をつぶやいていた。
疾風は優しすぎる程の優しさで私に接してきてくれた。
まるで私を癒すためにここにいるみたいに・・・
一日で疾風という人の魅力に心を奪われた・・・
初めての心の変化に少しだけ驚いていた。
私はその心に変化を気づかれたくなくて一通思い切ってメールを送った。

「片瀬先輩って彼女とかいないんですか？」
ふと尋ねたくたくなったんだ・・・
なにか安心をしたい気持ちがあったから・・・
５分もしないうちに返事が来た。