ウエディング
自分にとって居場所。
それは安らげる大事な場所だから・・・
失ってしまうのが怖かった。
俺は逃げることしか出来ねぇ。
ただの臆病者。
それが俺がみんなに隠してる事実だった。

それから何も変わることなく日々は過ぎていった。
無駄な日々を過ごしていると知っていても何も出来なかった。
怖い。
それが自分の心を支配している。

ブーブーッ
携帯のバイブで揺れる。
メールだった。
チッ
うるせぇーなー
なんだよ、
画面を見るとメール。
後輩からの相談のメール。
最近頻繁にくる。
弘樹という俺の弟分の後輩だ。
弘樹の彼女のことでよく相談を受けるから当然のようにメールが来る。
初めて相談を受けた頃から俺は弘樹の彼女が少し気になっていた。
「美里か・・・」
そう言えばサイトに居たような・・・
とっさにサイトを開く。
見っけた!!!
弘樹に適当に理由をつけてサイトで友達希望をした。
俺は少しだけ期待をしていた。
どんな奴なのか知りたかった。

それから少し経OKされた。
俺は今までにない優しさで、接した。
気に入られたい。
好きになってほしい。
そう考えることで頭がいっぱいだった。
「美里か・・・。惚れちまうなこれは・・・」
俺が惚れるとかあんのか?
俺どうかしてるぜ・・・
この気持ちが恋なのか・・・?
俺は初めての気持ちに驚きを隠せなかった。
メールが途中で終わったせいか落ち着かない。
早く話したい!
早く、早く。
俺は抑えきれない気持ちをただただ隠し続けた。

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