王龍×姫龍
兄妹コンビ

『兄ちゃんまだ?』

「今行くよ~」

ったく。兄ちゃんはいつも準備が遅いんだから。塚遅すぎだよ。

トンットンッと階段を下りてくる音が聞こえた。

『出かけようって言ったの兄ちゃんなんだから早くしてよね』

「いやぁ思った以上に寝癖が手強くて…困った困った」

一生困ってろ。

少し前まではブロッコリーか!!っていう程ブロッコリーに似た髪形だったのに今はワックスでうまい具合に固めてなんかよくなってる。

妹の私が言うのもなんだけど…意外とかっこいいじゃないか。

『もういいから行こう』

「おう!!!」

私は今日、横にいる兄優磨と一緒にショッピングモールに行く。特に用事はないけどたまには兄妹仲良く出かけようということになったのだ。

「あ、見てみて。猫がいる」

『ほんとだー。可愛いね』

「あ、あの店新しくなった?」

『うん、なったよ』

「あ、あの雲ドーナツみたいな形」

『そうだね』

「あ、」

『今度は何!!?』

くだらない話を次から次へと…今度はどんなくだらない話を聞かされるんだろう。

「兄ちゃん彼女できた」

girlfriend?オーケーオーケー…what!?

『かっ彼女!?』

「うん、彼女」

そういう大事なこと先言えよ!!!塚、え?兄ちゃんに彼女??
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