王龍×姫龍
着いたのは大きなショッピングモール。
いっ…意外と大きいんだな。
中に入ると人がたくさんいて埋もれそうだった。化石になりそう。
「蓮愛、迷子にならないように手繋ごう」
『いやだよ』
迷子になりそうなのお前だよ。
塚この歳で兄貴と手繋いで歩くとか絶対やだよ。
『兄ちゃん私から離れないでよ』
「大丈夫、離れない!!!」
よし、オッケー。
店の中を歩いてると人が多いせいかよく人と肩がぶつかる。それに背が低い私はすぐ人の波に流されてしまう。
うおっ!!左前方から津波きます!避難、間に合いませんっっ!!
「蓮愛」
兄ちゃんが私の手をひいてくれたから津波にのまれずに済んだ。
…くそぅ、いつも変な兄ちゃんなのにこういう時はいつもと違うんだよな。
私はこういう優しさが苦手で素直に受け取れない。
『手繋がないって言ったじゃん。恥ずかしいなぁもう!!!』
「兄ちゃんは恥ずかしくないよ?いいじゃんたまには兄妹水入らずでさ。あ、あの店行こう」
『わかったわかった』
兄ちゃんは私のこんな性格をわかってくれていて私がツンとした態度をとっても嫌な顔せずにいてくれる。
「ねぇ、この眼鏡どう?」
『ユニークだね。私といる時は絶対につけないでね』
兄ちゃんが見せてきたのは円型銀縁超ダサ眼鏡だった。その円の円周率測ってやりたい。
「えーじゃあいらないや」
私といる時付ける予定だったのかよ。
勘弁してくれ…。
その後私達はご飯を食べて適当にぶらついてから家に帰った。
とりあえず兄ちゃんが迷子にならなくてよかった。