王龍×姫龍


『っっぁ、はッ…』

最悪の寝起き。
起きると汗をぐっしょりかいていて、呼吸が乱れていた。
荒い呼吸を整えようとするも、

《れんあたすけて》
《オマエノセイダ》

『はぁ、っはぁ…っう゛』
夢で聞いた声と残像が甦ってきてできない。

苦しい…。
でも柑奈さんはもっと苦しくて、辛くて。
こんなの苦しさになんて入らない。
柑奈さんに苦しい思いをさせたのは、私だ。

『ごめんな、さい…っはぁ』


―――バンッ


扉を強く開けた音と共に

「蓮愛っ!!」

兄ちゃんが部屋に入ってきた。

呼吸が上手くできなくて涙目になりながらもなんとか片目を開けて兄ちゃんを視界に捉える。

兄ちゃんの表情からは困惑と焦りが滲み出ていた。
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