王龍×姫龍


ふふっ我ながらナイスなツッコミね。
…よし、急ごう。


それから私は新幹線になった。もしかしたら新幹線より早かったかも知れない。


まず昨日入ってなかった風呂に入り、髪を乾かしながら朝食を食べ、歯磨きをしながら服を着替えた。
神を超えてしまったぜ。

『つ、疲れた』

新幹線になったかわりに代償が大きかった。

まず風呂では滑って転んでケツ強打。朝食を作ってる時にドライヤーのコードに引っ掛かりすってんころり。アイロンで火傷し、朝食が喉に詰まって噎せてゲホゲホ。歯みがき粉をつけすぎて口内大惨事。Yシャツのボタン付ける時手が攣り悶え…。
私今日かなり頑張ったよ。

へとへとになりながらも時間を確認。

10:00
…あ、TIKOKUだ★
この世に新幹線でも勝てないものってあるんだ。




家を出ると空が青かった。たまに真っ白な雲がゆっくりと流れてくる。

『今日は軽いな~』

昨日、鞄を持って帰らなかったから今日は手ぶらで登校。

ゆっくりな雲と比べ私は鞄がないせいかいつもより早く学校についた。
完全遅刻ではあるけど。

学校の前に来て一気に不安が押し寄せてきた。孤独が早くなる。


鉛のように重くなった足を前に踏み出した。
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