王龍×姫龍


「え、それだけ」

嘘、気持ち悪いとかは?何ポカーンとした顔してんの?

「塚よく見るとマジで瞳紅いな。すげー。あ、後これお前のカラコン」

そう言って昨日放置して帰った私のカラコンを渡された。ケースにもちゃんと入れてあった。…すみません。

『ありがとう』

他の男子にもすげーとか初めて見たとか言われた。男子ってこんな感じなんだ。少し空気が軽くなった気がした。
この時だけは。



少ししてから私はこの空気から逃げる為に寝た。目を覚ましたのは放課後。まだ眠気が覚めなくてしばらくうつぶせていると、


「~~~ ~~」

理沙達の声が聞こえた。声からして水崎はいないらしい。盗み聞きは悪いと思ったけど性格が悪い私は寝たフリをする事にした。

「桜義の瞳見た??」
「見た見た~。もう気持ち悪くて鳥肌たったし」
「もう絶対関わりたくないし」
「化け物みたいだったよね~」


そんな話をしながら教室から出て行った。

『…帰ろ』

ゆっくりと立ち上がり鞄を持って教室を出た。和樹に迎えの電話をしながら。
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