王龍×姫龍


「蓮愛ちゃんお疲れ」

『うん』

車に乗るといつものように運転席に和樹、私の座る席の横に蒼也がいた。

私は話す気にもなれず窓の外を眺めていた。

何故か酷く怠かった。体がずっしり重い。なんでかな。太った?もしかしてダイエットした方がいいのか…?断食?運動?やっぱ最近流行りの、


『カレーはかれー』

「甘口は辛くない」

そこかーい。
もしかして蒼也朝カレー知らないのか?朝カレーっていいらしいよ。
そう説明しようとするも話すのも怠くて声が出なかった。


ギャグは別ね。

無意識の内に小さくため池、ぢゃなくてため息を漏らす。すると、

『ぶごふっっ』


いきなり腕を引っ張られて気付いた時には蒼也の胸板に顔面をごっちん、していた。

はっ鼻が痛い…。

『蒼也?』


蒼也の顔が見れない。だってこの男、私の後頭部を手で押さえて頭を動かせないようにしてるから。

ちょっと苦しいぞ、おい。


『そーうーやー?』

「無理するな」

『何の話だーい』


いきなり無理するなって何のこっちゃ。





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