王龍×姫龍

だから私はアイスに集中してるんだ。とりあえずいきなり現れた煩いお猿さんは無視。

「てめぇ無視してんじゃねぇぞ。…おいチビっ!」

『あーもう煩いなぁ!!!私今アイス食べてんの!お猿の相手してる暇ないの!』

アイスタイム邪魔しやがって…。
お前なんか動物園の猿山に放り込んで上からバナナ投げてやる。他の猿とバナナの取り合いでもしてやがれ!

「煩いって何だコラ。塚猿って言うなや」

『猿に猿って言って何が悪いのよ。猿猿さーる!!!』

「うっせえチビ!!」

『チビじゃないし!!』

「どっからどう見てもチビだろチビ!!」

私がチビとかありえないし。ただ身長が154.5cmで少~しミニマムなだけだし。

『チビチビうるさ…うべべっ重い!!』
 
「あ?わりぃわりぃ。小さすぎて見えなかった」

絶対わざとだこいつ…。座っている私を押し潰すかのようにソファに座ってきた。

次から次へと私に嫌がらせをしてくるこの猿は本宮彼方。暴走族王龍の総長。このたまり場も王龍のたまり場。蒼也達は王龍の幹部。
…なんでこんな奴が総長なんだろう。金髪にピアス。おまけにくだらない言いあいをしてキレるバカな総長。あ…私もだった。金髪ではないけど。

『はぁ…。こんな嫌がらせに耐える私は立派だ』

彼方には聞こえないように呟いた。
聞かれたらまた煩くなるから。



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