王龍×姫龍
「蓮愛っ。時間大丈夫なの?」
『え、あ、やばっ。もう帰んないと』
「え~まだいてよ」
「無茶言うなよー。こいつには門限あんだからー」
そう、中2の私には門限がある。家には兄ちゃんしかいないけど、その兄ちゃんが厳しい。
「じゃあ送ってくね」
『うん。いつもごめんね。じゃあね皆』
「明日も来いよ。おめぇがいねぇと暇潰しになんねぇ」
『おいおい彼方君。私は暇潰しの道具じゃないんだよ。明日は気が向けばくるよ』
「気分屋だね~」
『それあんたもだよ湊人』
最後に二連発で軽くツッコミを入れてたまり場を後にした。
帰りはいつも家の近くのコンビニに送ってもらう。家の前だと兄ちゃんにばれるかもだから。
ちなみに帰りも蒼也はいる。なぜかわからないけど送り迎えは必ずいる。
「蓮愛ちゃん、着いたよ」
『和樹、ありがとう。後蒼也もありがとう。明日気が向けば行くから一応連絡いれるね』
「気が向かなくても来い」
『まぁ蒼也ったら我儘なのね、うふっ』
おしとやかに微笑んでみたつもりが蒼也に絶対零度の視線を向けられた。
『…じゃあまたね』
この視線は痛いからスル―しよう。
「うん、バイバイ」
「明日来いよ」
最後までそれかい。
私は送ってくれた和樹達の車が見えなくなると家に帰った。