琥珀色の誘惑 ―日本編―
“娼婦”の言葉と、今にも抜かれそうな“ジャンビーア”に舞はベッドに座り込んだままである。


扉が開いたのはその時だ。


入ってきたのは白いトーブに身を包む、シーク・ミシュアル、その人であった。 


『殿下……このような場所に』

『下がれ、馬鹿者!』


ミシュアル王子に一喝され、ヤイーシュの動きはピタリと止まった。


「舞! 怪我はないか? 返事をしろ!」

「だ、だいじょうぶ……です」


舞は息も絶え絶えに返事をするが、ミシュアル王子の琥珀色の瞳は、スカートから覗く太腿を凝視していた。

慌てて膝を揃え、舞は必死になって裾を引っ張り下ろす。

だが……王子の瞳に怒りの炎を点すのは、その一瞬で充分だった。


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