琥珀色の誘惑 ―日本編―
舞が一歩進むと、SPたちの群れがザッと左右に分かれた。
黒服に道を作られ、少し怖かったけど、舞は胸を張ってリビングを一直線に横切る。
『殿下っ!?』
後方でアラビア語が聞こえたと思った瞬間、舞は腕を掴まれていた。
「なっ何?」
「……舞。本当に私の妻になる気があるのか?」
愛の告白とかプロポーズというより、脅迫めいた視線をミシュアル王子は舞に向ける。
「答えろ。愛が消えぬと言ったのはお前だ! たった五分しか経ってないぞ!」
(もっと言い方があるんじゃないの?)
そう言い返したくなったが……それをやったら堂々巡りだ。
この数歩ですら、王子にしたら名誉を懸けた歩み寄りなのかも知れない。
舞はそんなことを考え、口を開こうとしたその時――廊下から聞きなれた声、しかも日本語が聞こえた。
黒服に道を作られ、少し怖かったけど、舞は胸を張ってリビングを一直線に横切る。
『殿下っ!?』
後方でアラビア語が聞こえたと思った瞬間、舞は腕を掴まれていた。
「なっ何?」
「……舞。本当に私の妻になる気があるのか?」
愛の告白とかプロポーズというより、脅迫めいた視線をミシュアル王子は舞に向ける。
「答えろ。愛が消えぬと言ったのはお前だ! たった五分しか経ってないぞ!」
(もっと言い方があるんじゃないの?)
そう言い返したくなったが……それをやったら堂々巡りだ。
この数歩ですら、王子にしたら名誉を懸けた歩み寄りなのかも知れない。
舞はそんなことを考え、口を開こうとしたその時――廊下から聞きなれた声、しかも日本語が聞こえた。