琥珀色の誘惑 ―日本編―
(22)シークのたくらみ
ターヒルの言った“娼婦”の一言に、舞は頭を殴られた気がした。

ミシュアル王子もその単語を口にした。
舞が三人の男子学生に色々言われた時、『娼婦と一緒にするな』と怒ったことがある。
そしてついさっき、あのヤイーシュも舞に向かって『娼婦の分際で』と罵った。

舞は、きっとクアルンの男性が女性を罵る時にでも使う、決まり文句みたいなものだろう、と勝手に思い込んでいた。


「アル……娼婦って、何?」

「――金品を受け取り、性的快楽を奉仕する女性のことだ」


至極真面目なミシュアル王子の顔に、舞は怒りを堪えつつ……、


「じゃあ、お金を払って“性的快楽”とやらを買おうとしたわけね」

「まだ買ってはおらぬ。それに今夜は断わるつもりだった」


舞はこれ以上抑えることができなかった。

カッとしてヤイーシュの言った言葉をミシュアル王子にぶつける。


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