琥珀色の誘惑 ―日本編―
(23)千年の愛を誓って
それはいきなりやって来た。

舞は着替える暇もなく、服は上下とも昨日のまま、髪もブラシで梳かしただけの格好だ。

年配の制服警官が三人も舞を迎えに来た。しかも、胸には金色のバッジを付けていた。
遼が小声で「お、すっげー、警視長だ」とか呟いている。


舞が、


(そりゃ、警視庁でしょ? 東京なんだから)


と思っても無理はないだろう。



舞が公務員宿舎の玄関に立った時、沿道には「警視庁/立ち入り禁止」の黄色いテープが張られていた。

玄関口から隣の区立公園入り口まで、綺麗に道ができている。

さっきまで「本当なの、月瀬さんっ!」と扉を叩いていた近所のおばさんたちも、すでにテープの向こう側であった。


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