琥珀色の誘惑 ―日本編―
舞はミシュアル王子の質問内容に眩暈が治まり、見る間に視界が開けた。
それくらいショックだったのである。
そして、改めて王子の顔を見た。
すると……彼は舞を検分するかのような視線で、全身を見ているではないか。
その時、舞の脳裏に世界地図が浮かび、彼女はクアルン王国の正確な位置を思い出していた。
それに王子の名前の前についた“シーク”の称号。
それから連想するものは、下世話な想像と言われても“ハーレム”だろう。
舞はその瞬間、相手が王子様であることを忘れた。
誕生日だって言うのに、何て夜だろう。
合コンでは男の子たちからコケにされ、家に戻れば我が物顔でふんぞり返った王子様がいる。
ほんの数分前まで「なんて素敵なの」と思っていた分だけ、余計に怒りが込み上げてきた。
「何でそんなこと、あなたに答えなきゃいけないんですか? いくら王子様ったって……セクハラですっ!」
その瞬間、バンッ! と扉が開いた。
SPの男性が険しい表情でリビングに押し入る。
舞は一瞬、撃たれるの? と心臓が早鐘を打ち始めた。
ミシュアル王子はそんなSPに片手を挙げ、再び外に控えさせる。
そして舞に向き直り、
「君は感情を表に出し過ぎる。教育の必要があるな」
しらっとした顔でそんなことを言うのだった。
「初対面の女性に、セクハラめいた非常識な質問をする王子様にも、その必要があるんじゃないんですかっ?」
またSPに飛び込んで来られては敵わない。
舞は声のボリュームを絞ってミシュアル王子に言い返した。
だが、そんな舞の嫌味に王子はとんでもない台詞を口にしたのである。
それくらいショックだったのである。
そして、改めて王子の顔を見た。
すると……彼は舞を検分するかのような視線で、全身を見ているではないか。
その時、舞の脳裏に世界地図が浮かび、彼女はクアルン王国の正確な位置を思い出していた。
それに王子の名前の前についた“シーク”の称号。
それから連想するものは、下世話な想像と言われても“ハーレム”だろう。
舞はその瞬間、相手が王子様であることを忘れた。
誕生日だって言うのに、何て夜だろう。
合コンでは男の子たちからコケにされ、家に戻れば我が物顔でふんぞり返った王子様がいる。
ほんの数分前まで「なんて素敵なの」と思っていた分だけ、余計に怒りが込み上げてきた。
「何でそんなこと、あなたに答えなきゃいけないんですか? いくら王子様ったって……セクハラですっ!」
その瞬間、バンッ! と扉が開いた。
SPの男性が険しい表情でリビングに押し入る。
舞は一瞬、撃たれるの? と心臓が早鐘を打ち始めた。
ミシュアル王子はそんなSPに片手を挙げ、再び外に控えさせる。
そして舞に向き直り、
「君は感情を表に出し過ぎる。教育の必要があるな」
しらっとした顔でそんなことを言うのだった。
「初対面の女性に、セクハラめいた非常識な質問をする王子様にも、その必要があるんじゃないんですかっ?」
またSPに飛び込んで来られては敵わない。
舞は声のボリュームを絞ってミシュアル王子に言い返した。
だが、そんな舞の嫌味に王子はとんでもない台詞を口にしたのである。