琥珀色の誘惑 ―日本編―
ヘリの中は思ったより広く、操縦士の他にはSPが三人……内ひとりはターヒルだった。
「よし、やれ」
ミシュアル王子が舞を連れて乗り込んだ途端、日本語で指示を出す。
ヘリのパイロットは日本人らしい。
そして、ヘリの扉が閉まり、舞はようやく床の上に下ろされたのだった。
「どうして? こんな……メチャクチャよ」
着の身着のまま、生まれ育った日本から出る羽目になるとは思ってもみなかった。両親に育てて貰ったお礼すら言えず……。
俯き涙声で言う舞に、王子は呆れたように叫ぶ。
「舞、泣いているのか? お前はどれほど私を振り回せば気が済むのだ!」
「なっ!?」
振り回されているのは舞である。
舞がそう言い返そうとした時、ミシュアル王子の琥珀色の瞳に翳りが見えた。それはどう見ても苦悩に満ちた色で、舞はびっくりする。
「よし、やれ」
ミシュアル王子が舞を連れて乗り込んだ途端、日本語で指示を出す。
ヘリのパイロットは日本人らしい。
そして、ヘリの扉が閉まり、舞はようやく床の上に下ろされたのだった。
「どうして? こんな……メチャクチャよ」
着の身着のまま、生まれ育った日本から出る羽目になるとは思ってもみなかった。両親に育てて貰ったお礼すら言えず……。
俯き涙声で言う舞に、王子は呆れたように叫ぶ。
「舞、泣いているのか? お前はどれほど私を振り回せば気が済むのだ!」
「なっ!?」
振り回されているのは舞である。
舞がそう言い返そうとした時、ミシュアル王子の琥珀色の瞳に翳りが見えた。それはどう見ても苦悩に満ちた色で、舞はびっくりする。