琥珀色の誘惑 ―日本編―
妻を何人か持たなきゃならないかも知れない。
それが王というものなら、一番にして貰うことで妥協しよう、と舞は考えた。我慢できるかどうかは判らない。でも、努力してみよう、と。


ほんの僅かミシュアル王子は頭を抱えたが……舞の顔を見るなり、極上の笑顔を見せて言った。


「私は悪しき慣習に従うつもりはない。妻は生涯ひとりだ。十五年も昔から、ただひとりに定めてある」

「ほ……ほんとうに?」

「――アッラーの神に誓って」


ミシュアル王子の琥珀色の瞳が、窓から射し込む光に煌いている。

舞は吸い込まれそうで……ふと気づけば、王子の腕の中にいた。

彼の腕が腰に回り、二つの身体はピッタリと寄り添う。


「舞――誓いの口づけだ」


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