琥珀色の誘惑 ―日本編―
ジャガーの後方に付けた車は、絶対に近寄りたくない黒塗りベンツである。
おそらくはSPの人たちが乗っているのだろう。
だが、世間一般の王子と呼ばれる人は、自ら車の運転をするものなんだろうか?
色々考えようとしたが、思い当たる王子などいるはずもなく……。
舞は諦めた。
だがその時、ハタと気が付いたのだ。
舞が立ち止まっていることで、エレベーターから降りてくる人も、駐車場の車の流れも滞らせている。
舞は慌ててジャガーのサイドシートに飛び乗った。
キャラメル色のレザーシートはふかふかだ。
それに、さっきの特別室のソファより座り心地が良い。
なんだか座席の背もたれが大きく作ってある気がする。舞が乗っても、チョコンという印象だった。
舞が文字通り、舞い上がっていたその時、突然ミシュアル王子が覆い被さってきた!
「ちょ、ちょっと何? いやっ!」
びっくりして舞は王子を押し退ける。
だが、
「動くな!」
一喝された瞬間、舞の目前に王子の顔が近づいた。
(何? 何? わたしってば、何をされるのっ!)
おそらくはSPの人たちが乗っているのだろう。
だが、世間一般の王子と呼ばれる人は、自ら車の運転をするものなんだろうか?
色々考えようとしたが、思い当たる王子などいるはずもなく……。
舞は諦めた。
だがその時、ハタと気が付いたのだ。
舞が立ち止まっていることで、エレベーターから降りてくる人も、駐車場の車の流れも滞らせている。
舞は慌ててジャガーのサイドシートに飛び乗った。
キャラメル色のレザーシートはふかふかだ。
それに、さっきの特別室のソファより座り心地が良い。
なんだか座席の背もたれが大きく作ってある気がする。舞が乗っても、チョコンという印象だった。
舞が文字通り、舞い上がっていたその時、突然ミシュアル王子が覆い被さってきた!
「ちょ、ちょっと何? いやっ!」
びっくりして舞は王子を押し退ける。
だが、
「動くな!」
一喝された瞬間、舞の目前に王子の顔が近づいた。
(何? 何? わたしってば、何をされるのっ!)