琥珀色の誘惑 ―日本編―
ハッとして見上げると、王子の目は燃えるようにぎらついている。
(お、怒らせた? ど、ど、ど、どーしよー)
「ふまん……なんて。ただ、その、わたしなんかって言うか。身に覚えはないけど、スポーツでも処女膜は破れるっていうし……。そうじゃなかったら……花嫁になれないんなら、話を進めるのはその後のほうがいいんじゃ」
普通の日本人なら、舞の言葉の端々から、お断りの意思を感じるだろう。
だが、ミシュアル王子は日本人でもなければ只者でもなかった。
王子はフッと表情を緩めると、突如、舞の髪に触れたのである。
「長い黒髪は私の最も好むスタイルだ」
「短いと……どうしようもなくなるので、伸ばしてるだけで」
「その黒い瞳も、エキゾチックで素晴らしい」
「に、日本人は皆そうなんじゃ」
「身長も、私にはちょうど良い高さだ」
「ちょうどって……何がちょうど」
舞の髪を数本指先に絡め、王子は遊ばせるようにしていた。
それを不意に解き……大きな手の平が頭の後ろに添えられた瞬間、琥珀色の瞳が目の前に迫った。
そして、あっという間に舞は唇を奪われたのである。
(お、怒らせた? ど、ど、ど、どーしよー)
「ふまん……なんて。ただ、その、わたしなんかって言うか。身に覚えはないけど、スポーツでも処女膜は破れるっていうし……。そうじゃなかったら……花嫁になれないんなら、話を進めるのはその後のほうがいいんじゃ」
普通の日本人なら、舞の言葉の端々から、お断りの意思を感じるだろう。
だが、ミシュアル王子は日本人でもなければ只者でもなかった。
王子はフッと表情を緩めると、突如、舞の髪に触れたのである。
「長い黒髪は私の最も好むスタイルだ」
「短いと……どうしようもなくなるので、伸ばしてるだけで」
「その黒い瞳も、エキゾチックで素晴らしい」
「に、日本人は皆そうなんじゃ」
「身長も、私にはちょうど良い高さだ」
「ちょうどって……何がちょうど」
舞の髪を数本指先に絡め、王子は遊ばせるようにしていた。
それを不意に解き……大きな手の平が頭の後ろに添えられた瞬間、琥珀色の瞳が目の前に迫った。
そして、あっという間に舞は唇を奪われたのである。