琥珀色の誘惑 ―日本編―
今日はサンドベージュのスーツを着ていた。淡い色は初めてだ。
中はTシャツでハイネックの黒。肌に張り付き、筋肉が盛り上がって見え、胸板の厚さがスーツ越しでもよく判る。
そして濃い色の、おそらくパイロットサングラスと言われる種類のものを掛けていた。
あの目立つ色の瞳を隠すためかも知れない。
「で、殿下……なんでココに?」
「……何度も言わせるな」
「えっと……ミシュ、ミシュ」
「まさか、わずか七日間で忘れたとは言うまいな」
「お、覚えてるわよっ!」
ほんのついさっきまで覚えていたのだ。
だが、突然現れた王子のせいで、頭の中が一気にパニックに陥る。
サングラスの奥の瞳と胸板まで気になり、しかも、唇が重なった瞬間のことまで思い出してしまい……。
「ミシュ……ランだから、ラン?」
「馬鹿者っ!」
今度会ったらいきなりキスしたこと、とか、舞を何番目の妻にするつもりなんだ、とか、先に怒るつもりだったのに。
ミシュアル王子の怒鳴り声に、一瞬で現実に返る舞だった。
中はTシャツでハイネックの黒。肌に張り付き、筋肉が盛り上がって見え、胸板の厚さがスーツ越しでもよく判る。
そして濃い色の、おそらくパイロットサングラスと言われる種類のものを掛けていた。
あの目立つ色の瞳を隠すためかも知れない。
「で、殿下……なんでココに?」
「……何度も言わせるな」
「えっと……ミシュ、ミシュ」
「まさか、わずか七日間で忘れたとは言うまいな」
「お、覚えてるわよっ!」
ほんのついさっきまで覚えていたのだ。
だが、突然現れた王子のせいで、頭の中が一気にパニックに陥る。
サングラスの奥の瞳と胸板まで気になり、しかも、唇が重なった瞬間のことまで思い出してしまい……。
「ミシュ……ランだから、ラン?」
「馬鹿者っ!」
今度会ったらいきなりキスしたこと、とか、舞を何番目の妻にするつもりなんだ、とか、先に怒るつもりだったのに。
ミシュアル王子の怒鳴り声に、一瞬で現実に返る舞だった。