琥珀色の誘惑 ―日本編―
(11)ミスター・トラブル
唖然とする男子学生たちを尻目に、舞は慌ててミシュアル王子の腕を引っ張った。
「ちょっとアル! バレたら困るんでしょ? だったら変なこと言わないで、少しは話を合わせてよ!」
ふたりは五秒ほど睨み合っていたが……。
「――勝手にしろ」
ミシュアル王子は怒気を帯びた顔つきで、渋々といった様子で頷いた。
舞はパッと振り向くと、愛想笑いを浮かべながら男子学生たちに声を掛ける。
「ご、ごめんね。えっと、母方の親戚なの。うちは父がうるさいから……。なんか、お目付け役みたいな感じかなぁ」
あははは……と舞が乾いた声で笑うと、「そう、そうよねぇ」と桃子も一緒になって笑ってくれた。
それに合わせて、男子たちも何となく笑っている。
だが、ミシュアル王子だけは別だ。
ニコリともせず、探るような視線を男子らに向けている。
とりあえず、三人とも同じ私立大学医学部の学生だと挨拶していたことは覚えている。
合コンに来ていたのは四人。
もうひとりは、合コンの為だけに集めたメンバーらしい。
違う大学の医学部だと言うが……どうも怪しい。
「ちょっとアル! バレたら困るんでしょ? だったら変なこと言わないで、少しは話を合わせてよ!」
ふたりは五秒ほど睨み合っていたが……。
「――勝手にしろ」
ミシュアル王子は怒気を帯びた顔つきで、渋々といった様子で頷いた。
舞はパッと振り向くと、愛想笑いを浮かべながら男子学生たちに声を掛ける。
「ご、ごめんね。えっと、母方の親戚なの。うちは父がうるさいから……。なんか、お目付け役みたいな感じかなぁ」
あははは……と舞が乾いた声で笑うと、「そう、そうよねぇ」と桃子も一緒になって笑ってくれた。
それに合わせて、男子たちも何となく笑っている。
だが、ミシュアル王子だけは別だ。
ニコリともせず、探るような視線を男子らに向けている。
とりあえず、三人とも同じ私立大学医学部の学生だと挨拶していたことは覚えている。
合コンに来ていたのは四人。
もうひとりは、合コンの為だけに集めたメンバーらしい。
違う大学の医学部だと言うが……どうも怪しい。