琥珀色の誘惑 ―日本編―
金色の瞳が燃えていた。
その煮え滾るような怒りは本物だ。
王子の殺気を帯びた剣幕に、遠巻きに護衛していたSPたちも駆けつけて来る。
二、三言アラビア語でやり取りをして、その隙を見てタケシをはじめ三人とも逃げ出そうとした。
「おい! 舞に謝罪せぬなら、私は貴様に決闘を申し込む! いいか。私に名乗らせたら貴様はおしまいだ。返答は!」
ミシュアル王子は本気であった。
まるで、この場で拳銃か真剣を抜きかねない気迫だ。
三人は屈強な黒服に身を固めたSPたちに囲まれ、「すみません」「ごめんなさい」と口々に半泣きで呟いている。
SPの中で最初に舞の自宅にもついて来ていたひとりが、王子にアラビア語で問い掛けた。
ミシュアル王子は仕方なさそうに頷く。
すると、すぐさまタケシらは解放されたのだった。
おそらく、二度とタケシらが聖麗女学院近辺をうろつくことはないだろう。
舞は必死で逃げる三人の背中を見ながら、そんなことを考えていた。
とりあえず謝罪させて、ミシュアル王子の面目は保てたらしい。
彼は舞に近づき、感謝しろと言わんばかりの表情で見下ろした。
だが……。
パシンッ!!
舞はミシュアル王子の左頬を叩いていた。
その煮え滾るような怒りは本物だ。
王子の殺気を帯びた剣幕に、遠巻きに護衛していたSPたちも駆けつけて来る。
二、三言アラビア語でやり取りをして、その隙を見てタケシをはじめ三人とも逃げ出そうとした。
「おい! 舞に謝罪せぬなら、私は貴様に決闘を申し込む! いいか。私に名乗らせたら貴様はおしまいだ。返答は!」
ミシュアル王子は本気であった。
まるで、この場で拳銃か真剣を抜きかねない気迫だ。
三人は屈強な黒服に身を固めたSPたちに囲まれ、「すみません」「ごめんなさい」と口々に半泣きで呟いている。
SPの中で最初に舞の自宅にもついて来ていたひとりが、王子にアラビア語で問い掛けた。
ミシュアル王子は仕方なさそうに頷く。
すると、すぐさまタケシらは解放されたのだった。
おそらく、二度とタケシらが聖麗女学院近辺をうろつくことはないだろう。
舞は必死で逃げる三人の背中を見ながら、そんなことを考えていた。
とりあえず謝罪させて、ミシュアル王子の面目は保てたらしい。
彼は舞に近づき、感謝しろと言わんばかりの表情で見下ろした。
だが……。
パシンッ!!
舞はミシュアル王子の左頬を叩いていた。