琥珀色の誘惑 ―日本編―
「舞、お前はどうしてこんな真似をするのだ? なぜ、明日が待てない」

「こんな、こんなって……どんな」

「父親も伴わず、ひとりで私の部屋を訪ねるなど……。軽はずみにも程がある」


そんなことを言いながら、ミシュアル王子はどんどん近づいてくる。


全身が煌いているのは水滴のようだ。
どうやら、シャワーを浴びたばかりらしい。
コーヒー色の肌が妖しく艶めき、綺麗に割れた腹筋を際立たせている。

しかも……布を巻いた位置がローライズなのだ!

くっきり見える腰骨のラインがセクシー過ぎて、舞の血圧は一気に上昇した。


「なんっ、なんで? どうして真っ昼間からそんな格好をしてるんですかっ?」


時間は間もなく正午といった辺りだ。
寝起きでシャワーを浴びたばかりという様子でもない。

ミシュアル王子はそのまま腰に手を添え、仁王立ちになり、口を開いた。


「正午はサラートの時間だ。海外に居る時はいつも以上に、丁寧に身を清めることにしている」


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