恋愛音痴




「蓮紅いつもありがとね!
 セイタも喜んでるよ」



ラミは蓮紅に優しく笑い
「ケーキ食べよっか」と言った


ラミが買ってきたのは
セイタが大好きなホールチーズケーキ
持ってきたお皿にセイタの分と
4人の分をとりわける

『いただきますっ』





セイタの横であたし達は
たわいない会話をした
学校の話とか、
ラミ達の結婚の話とか
セイタが目覚めたら
どこ行こう、とか…




あっという間に時間が経って
もう消灯の時間になった





『そろそろ帰らなきゃね』

「んぢゃ、あたし達は
 セイタの担当の先生の話
 聞かなきゃいけないから」



ラミ達は部屋を出て行った

あたしと蓮紅もラミ達を
追いかけるように立ち上がった




『セイタ、またくるね』


あたしの横で
蓮紅はセイタに頭をさげて
一緒に病院をでた






『あれ、駅こっちだに?』



駅と反対方向の駐車場に
向かおうとしてる蓮紅を
不思議に思ったあたしは
蓮紅を呼び止めた



「俺、バイクできた」



キーを見せてくる蓮紅に
納得したあたしは
うんうん、とうなずきながら
駅へと足を歩かせた



「琉希!…乗ってくか?」

『…当たり前ぢゃん』



あたしは蓮紅の方へ駆け寄った

バイクにまたがると同時に
蓮紅のバイクは走り出した



蓮紅の背中…細身なのに
筋肉はしっかりついている
蓮紅の香水のいい匂いがして安心する
キュンって胸が鳴るのが
自分でも分かった






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