恋愛音痴




「亮介!」

「おせぇぞ!」


りょうすけ…
りょうすけて、まさか……


あたしが後ろを
振り向くと金髪の人が
ニカニカ笑って歩いてきた


「わりぃなあ!」


みんなから肩を組まれたりして
楽しそうにしている亮介
人気者なんだな〜と思う



「あ!まぢできやがったあ〜」


あたしの顔を見るなり
頭をガシガシ撫でてくる亮介


『髪ぐちゃぐちゃになる!』


乱れた髪を必死で直すあたし
相変わらず亮介は
あたしをガキ扱いしてくる



このとき、
小学生の時の約束は果たされた

“高校は同じ所いこーな”

引っ越す日に
あたしと亮介は約束したの




「おい亮介!この子があのルキか?」

「あ〜そうだよ、なっ琉希?」


そういいあたしの肩を引き寄せて
自慢そうに笑ってみせた


『あのルキ、て
 亮介どんな事ゆってたの』



あたしは素直に
思った事を聞いてみた



「え……そ、それはだなぁ」

「可愛くて美人で
 高校は一緒て約束して
 だーいすきなんだよなぁ?」


口ごもる亮介の変わりに
1人がにやけなから言った


「…ち、ちがっ」


顔を真っ赤にして反抗する亮介


『ちゃんと高校きたよー?』


あたしはさっき
亮介にされたように
背伸びして
頭をガシガシしてやろうとした


「はい、ストップ〜」



伸ばした
あたしの手を掴んで止める亮介

よく見たらあたしが背伸びしても
ギリギリ届かない高さに
亮介の頭があった


『あ!せこいー!』



あたしはもう片方の手を伸ばした
届きそうになった時


「学校でいちゃつくなって!」

「そーだぞお!」


周りにいたみんなが
笑いながら見ていた


いちゃついてた訳ではなかったけど
軽く冷やかされて
恥ずかしかったあたしは
そっと手を戻した





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