孤独な美少女
「この辺、そんなに治安は悪くねえんだな…」
酔っ払いやら、同伴やら。
こんなのは別に俺が気にすることじゃねえ。
俺がするのは見回りだ。よく一般人相手に喧嘩吹っかける族の馬鹿がいるから。
一見、この辺は平和そうに見える。
しかし、ここは“表”だ。
俺は細道から奥に進んでいく。
明かりなんて殆どなくなった暗闇。
ここが、俺の見回り場所。
───ドガッ「っう゛」
─────バキッ「…っ」
あぁ、やっぱり“裏”は腐ってやがる。
奥で喧嘩してる奴がいるんだと思う。
別に、同意の上でやってる“正統”なものなら何もしねぇ。
でも一方的なものなら───黙っちゃいられねぇな。
俺は気配を消してその塊に近づいた。