孤独な美少女
ちっ、五人で一人を袋叩きにしてやがる。
マジでああいう奴らは許せねえ…。
殺られてる奴、もうボロボロじゃねぇか。
加減しろ、加減。
「……なぁ、」
「あ゙?何だてめえ」
ニヤリと嫌な笑みが俺から零れた。
「楽しそうだな。俺も混ぜろよ」
「あぁ?何言ってん──っ!!」
ドサ─ッ
その男は倒れた。
──俺の、蹴りで。
すると仲間が殺られたのが気に食わなかったのか、一気に全員、俺に向かって来た。
卑怯な奴らだな、全員で来るなんて。
そう思いながら飛んでくる拳やら鉄パイプやらを避け、鳩尾に一発。
俺は喧嘩が特別好きな訳じゃない。だから無駄な攻撃はせず、なるべく一発で仕留めるようにしている。
「お前…っ何者だよ!?」
「つ、よ…過ぎ…」
「…さぁな」
もう立っているのは俺だけ。
殺られてた奴の傍に行く。
「大丈夫か?」
「っあ、はい。ありがとうございました…」
「そうか、よかった」
そう言ってその場を跡にした。
コイツを助けたことで俺の人生が変わるなんて、この時はまだ知らない───…。