孤独な美少女




?side



───バンッ




「総長!」

「どうし───っ何があった!?」



倉庫に戻ってきた和也──カズを見て驚いた。



「あの…毒牙の奴らに…」

「っち、大丈夫なのか?」



毒牙はかなり卑怯な奴らだ。


レイプ、薬、鉄パイプは普通、だ。



「あ、はい。途中で男の人に助けて貰いました」

「一人でか?毒牙は一応NO.4だぞ?」



あんな卑怯な奴らだけど、な。流石に一人じゃ難しいだろ。


すると、カズは顔を輝かせながら言った。



「それが凄いんですよ!1分足らずで傷一つ付かずに五人倒したんです!」

「…はっ?ど、どんな奴だった?」



そう聞くと、カズは顎に手を当てて考え出した。


そんな強い奴、俺は一人しか知らねえ。




「顔はフードで見えなかったんですが、身長はあまり高くはなくて細身でした。あとは─…戦い方が綺麗、でした」

「戦い方が…綺麗?どういう意味だ」

「無駄な動きは見せず、一発で全て片付けてました」




…偶然か?“あの人”と似ているのは。


戦い方も、男にしては背が低くて細身なところも…フードを被っているところも。


余りにも似ている。


もしかしたらその男はあの人──…




「──、───」

「……分かりました」




────“暴蝶”かもしれない。







side end







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