孤独な美少女
「俺、前ここに通ってた…」
「っえ!?転校したんですか?」
「いや…教師殴って退学…」
自慢じゃねえけどな。
つか転校で金持ち学校から不良校はねえだろ…。
そして俺は思った。
梨花は……お嬢様?
高野…高野…っあ、航空会社だ。
「まさか…九条、優里…さん?」
「……バレた」
マジか。知ってんのか。
やっぱあの事件(?)は有名だったみたいだ。
「誰にも、俺の正体は言うなよ」
「分かってますよ!!じゃあここで!」
あんまり近づくと煩くなるので。
そう付け足す梨花に俺は首を傾げた。
……煩く?
と、その時──…。
「「「「キャーーーーッ!!!!!!」」」」
突然悲鳴が聞こえた。
何だ、と思い横を見れば、梨花は「あーあ、」額を押さえていた。
そして後ろを振り向けば、女、女、女…。
とにかく女だらけだった。
“誰あの人!”
“ちょ、超カッコイイんですけど!”
“どこの人だろう?”
更に顔がよく見えたせいか、悲鳴の色が濃くなった。