孤独な美少女
「すいません。今は“優哉”でしたもんね」
「あぁ。コウ、先生だったんだね」
「まぁ。頑張りましたから」
口調だけを女に戻した。
コウはあたしの正体を当たり前に知ってるしね。
あたしが蝶華を抜けた理由も…。
「コウ…ごめんね」
「……本当ですよ。急にいなくなって、探しても見つからなくて」
「うん…」
「マジで心配しましたから…」と眉を下げながらコウは言った。
あぁ、あたしはこんな顔しかさせてあげれないのか…。
たまに凄く嫌になる。
“あの人”だってあたしのせいで──っ「優さん」
「また、自分を責めてましたよね」
「……」
言い返せない。本当だから。
皆、あたしのせいじゃないって言ってくれた。
優し過ぎるんだよ…。
あたしは優しくされる資格なんてない。
あたしが俯いていると、コウがポツリ、呟いた。
「蝶華、探してるみたいです」
「……え、」
どうして、あたしなんかを。
たしかにあたしは総長だったし、詳しい理由を告げずに居場所を去った。
でも皆なら何となく理由は分かるじゃん。
なのになんで、
「どうして探すの?」
「蝶華には、優さんが必要なんです」
「……っでも、あたしはっ!」
許されちゃいけないんだよ。
幸せになんて、なったらダメなんだよ…。
皆に会わせる顔がないよ…っ!