孤独な美少女
今あたしはシャワーから上がったところで、頭にタオルをかけている。
だから髪色はバレていないはず。
とりあえず安心。
これが恭弥とか勇汰、藍鬼だったらマジで危なかった…。
白我は別に平気だろうけど。
「……は、」
なんか、今日一日疲れた。
琥珀とは関わりを持たなければいけなくなるし。
音無の情報は掴めないし、あの時のこと思い出すし。
魁斗には、バレそうになるし…。
「あーもう、何もかもめんどくせえ!」
そう強めに吐き捨て、あたしはベッドにダイブした。
その途端、あたしを襲う睡魔。
あー、やっぱ布団は落ち着くなあ…。
そうこうしているうちに、瞼はだんだん下がってくる。
明日…ちゃんと起きれ、るかな…。
眠気に負けたあたしはそのまま眠りについた。
「……8時23分、か」
うん、完全に遅刻だな。
朝日が窓から差す今、重い瞼を開ける。
あたし……まともな時間に学校行ったことあった?
……ないね。うん、必ず遅刻してた。
学校に行けば行ったで、琥珀に連れ去られるしね。
その時、手に持っていたケータイの着信音が鳴った。
「……は?」
電話の相手はコウ。
あれ、あたし番号………あぁ、昨日無理矢理登録されたんだった。