孤独な美少女
「えっ!?今、優哉って言った?」
「言ったよね。じゃああの人…ダサい九条優哉なの!?」
「嘘…信じられない…」
恭弥が名前を呼んだことで、様々な声が周りからヒソヒソと聞こえる。
だから聞こえてるって。
もっと堂々と言ったらどうなんだよ。
「どーしたー?」
「いや、本当に外して来たんだな…」
「あー?まあ…邪魔だったし?」
そう緩く返せば恭弥は「そうか…」一言だけそう言い黙ってしまった。
何が言いたいんだコイツは。
すると今度は白我が恭弥達を押し退けて言った。
「優哉って…そんなキャラやったっけ!?」
………ん?
今コイツ、キャラっつったよな?
「何のことだよ。意味分かんねえ」
「やから!その前髪のこと言ってるんよ!」
「前髪?…これがどうかしたか」
そう言って俺は自分の前髪を崩れない程度に触った。
ただ邪魔だったから上げただけで特に意味なんてねえんだけどな。
「優哉はもっと、その…クールなイメージやったから!それじゃあプリティボーイやないか!……それで似合ってるのも何かムカつくんやけどな」
「ぶほっ!プリティボーイって、お前が…?」
白我が“プリティボーイ”と口にした瞬間勇汰が爆笑したせいで、俺は白我が最後何言ったのか分からなかった。
つうか、プリティボーイ…。
「勇汰、お前突然爆笑すんなよ!何言ってたか分かんねえじゃん。白我はネーミングセンスなさすぎ。それに俺…プリティじゃねえ!」
普通に言った。
俺は真面目に言ったつもり……いや、真面目に言った。
しかし何故、爆笑されてるんだろうか。
白我だけ…でなく、全員に。琥珀メンバー全員に爆笑された。
「……何笑ってんだよ」