この男、偽装カレシにつき
なんだ。
仕返しが食べ物って、拍子抜け。
しかもお粥が食べたいだなんて、おぼっちゃまのくせに結構庶民的じゃん。


私はキッチンに向かうと、冷蔵庫を開けた。
実は私、こう見えて料理が得意だったりする。
卵も野菜もあるし、栄養も考えてやるか(ちょっと罪悪感あるし)。


おしゃれでキレイなキッチンを汚さないように注意を払いながら、小鍋でぐつぐつ煮ること20分。
出来上がった卵粥を持ってセンパイの元へ向かった。


ジャスト30分。
ギリギリセーフ。


トントン。
ノックしたけど返事がないので勝手に入ると、橘センパイはベッドで布団にくるまって寝息を立てていた。
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