この男、偽装カレシにつき
「分かりました…」


完敗…。
がっくり肩を落とす私をベッドの脇に座らせると、センパイはホッとしたように目を閉じた。


きれいな横顔を見ながらふと思う。
私は今、すんごい貴重なモノを見てるんじゃなかろうか。


センパイは今まで特定のカノジョを作らなかったから、こんな無防備な顔は誰も見られなかったはずだもん。


今日のグロッキーなセンパイは、悔しいけどめちゃくちゃかわいい。
いつもこんなんだったらいいのにな。


センパイのあどけない寝顔を見てるうちに眠気が襲って来て、私は知らぬ間にベッドに寄りかかるようにして眠りに落ちていた。
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