この男、偽装カレシにつき
センパイの腕がゆっくり私を包む。


何で私を抱きしめるの?
センパイのこと好きになっちゃったけど、バレるまではこのまま側にいてもいいの?


いつも乱暴なくせに。
こんなときだけまるで壊れ物を扱うように、そっと抱きしめるなんてズルい。


センパイの甘い香りに包まれて、体の力が抜けちゃうよ。


ダメだ。
何も考えられない。
もう、どうにでもして…。


骨抜きにされた私は、センパイに身を委ねた。


―――ハズだったのに。
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