この男、偽装カレシにつき
ユキノって誰よ
ユキノって誰?
ユキノって誰?
ユキノって誰?


さっきから、疑問符が頭の中をエンドレスで駆け巡ってる。


『ユキノ』とつぶやいたセンパイの声が頭から離れない。
胸焼けしそうなくらい胸がざわついてる。


これって、完全に嫉妬だ。


さっきまで好きだって自覚もしてなかったクセに、気付いた途端に嫉妬するなんて。
私って結構、独占欲強かったんだ。


あのあと、私はすぐにセンパイの家を飛び出してしまった。


だって、『ユキノ』が誰なのか確かめる勇気もなかったし。
センパイがまたその名前を呼ぶのも聞きたくなかったから。
< 138 / 499 >

この作品をシェア

pagetop