この男、偽装カレシにつき
橘センパイが惚れてる…?
それってどういうこと?
私の胸が再びざわつき始める。


ちょっと待って。
橘センパイの『ユキノ』って、龍センパイのカノジョなの?


それって昼ドラ並の泥沼じゃん!!


「チエも見なよ、超美形」


私の困惑を知らない純ちゃんは、ケータイを私に突き付ける。


龍センパイのカノジョがどんだけ美形かなんて、この際どうでもいい。
もしそれが橘センパイの『ユキノ』なんだったら、見たくない。


純ちゃん、お願いだから勘弁して。
―――って、え?


「…ユキノって…」


私はケータイを見て目を丸くした。
だってそこ写ってたのは、白い毛並みの子猫だったから。
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