この男、偽装カレシにつき
「何やってんだよ」


「―――だ、だって。
センパイが横取りしようとするからじゃん!」


動揺して声が震えるのを堪えながら悪態づく。
そうでもしなきゃ、こんなに緊張してるのがばれてしまう。


落ち着け、チエ!
このエロ男にとっては、顔を近付けてジェラートを舐めるなんて、ちょろいんだから。


この程度で動揺してたら、心臓がいくつあっても足りないっつーの!


「鈍臭いお前が悪い」


センパイは人の気も知らずに、イチゴジェラートを頬張ってる。


ちょっと待ってよ。
普通ここは、かわいそうなカノジョに自分のジェラートを譲るトコじゃないの?!


「イチゴうまっ」


くそぉっ!
ケンカ売ってんのか。
なんて性格の歪んだヤツ!
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