この男、偽装カレシにつき
ハイィッッ?!
何なの今の、空耳っ?!


私は慌てて顔を背けて、両手で頬を抑える。
うわ、顔熱っ。
絶対今、真っ赤だ。


『お前がいれば、カノジョなんかいらねぇよ』?


何じゃそらー!!
そんな殺し文句、さらっと言わないでよ!
誤解しちゃうでしょーが!!


あれでしょ?
どうせ、私がいれば面倒臭い女子たちが寄ってこないから、便利ってことでしょ?


それ以上の意味なんてないでしょ?


「お前バカだし、突っ掛かってくるし、腹立つことばっかり言うけど…」


ってオイ!
結局またケンカ売ってんのかい!


「一緒にいて楽なオンナもいるって、お前に会って初めて知った。
もうしばらくの間、俺のカノジョでいろよ」
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