この男、偽装カレシにつき
どうする、チエ。
素直に負け(?)を認めて『カノジョ』を解約するか、しらばっくれて側に居続けるか…。


ダメだ。
この呂律の回らない舌で、上手に逃げ切れる自信はナイ。


「負けました…」


がっくり肩を落とす私に、橘センパイはぶはっと吹き出した。


「何じゃそら」


「(悔しいケド)好きみたいです」


我ながら何てグダグダな告白。


「ていうか、センパイはどうなんですか?」


このままじゃ終われない。
どうせ振られるなら好き勝手言ってやる。


「センパイだって私のこと、少しは好きなんじゃないんですか?」


いつもなんだかんだ言って優しいじゃん。
キスだって何度もしてくれたじゃん。


いくら女タラシでも、女子全員に対してそうじゃないことくらい分かってるんだから。
< 170 / 499 >

この作品をシェア

pagetop