この男、偽装カレシにつき
今度という今度は怒らせてしまったか?
固唾を呑んで見守っていると、センパイはようやくそのきれいな唇を開いた。


こういうとき、この恋愛マスターは何て答えるワケ?


口から心臓が飛び出しそうになるのを堪えながら待ってると。


「トケテル」


ヤツは謎の言葉をつぶやいた。


トケテル?
とけてる?
溶けてる…?
って、ジェラートかー!


見ればジェラートが溶けて、コーンから滴り始めていた。


しまった!
ジェラート持ってると、おちおち告白もできないのね。
盲点だったわ。
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