この男、偽装カレシにつき
「無理」


センパイがつぶやいた。


何が無理?
私の告白が無理ってこと?


分かってるっつーの!
だから、忘れて欲しいんだってば!


「一度聞いたら忘れんのは無理」


チッッ、そっちか。


無駄に記憶力のいいヤツめ。
そういえば、こう見えて賢いんだっけ。


じゃあアレですか?
『こいつ、グダグダの告白したんだぜ』とか。
『俊介に惚れてたクセに、気の多いオンナ』とか。
これから永遠にからかわれ続けんの?


そんなのイヤすぎる!!!


「勘弁してくださいっっ!」
「いいよ、付き合ってやっても」


私とセンパイの言葉はほぼ同時だった。
< 174 / 499 >

この作品をシェア

pagetop