この男、偽装カレシにつき
嘘っ!
気ぃ短かっ!
この状況で置いて行くか、フツー。


自分は、一度聞いたら忘れてやんねー、とかなんとか言ってたクセにズルっっ!


こっちだって、本当に付き合えるかもしれないってとこまできて、なかったことにできないっつーの!


つーかセンパイ足長いから、走っても全然追いつかないんですケド。


「待って下さいってば!」


なんとか腕を掴むと、ようやくセンパイは足を止めて私を見た。


うわ。
ビー玉みたいな目に、一瞬で胸が鷲掴みされてしまう。
これは魔力が宿ってるに違いない。


「付き合って…下さい」


私は無意識のうちに、そんなことを言ってしまっていた。


やっと降伏(?)した私を見て、センパイは盛大なため息をついたかと思うと、


「オマエはいちいち面倒臭いんだよ…」


右手で強引に私の顎を引き寄せると、まるで噛み付くようにキスをした。
< 177 / 499 >

この作品をシェア

pagetop