この男、偽装カレシにつき
「チエ、早く準備しちゃいな。
置いてくよ」


いつの間にかに着替えを済ませた純ちゃんが私を急かす。


しまった!
妄想が暴走して着替えが後回しになってた!


純ちゃんのコトだから、本当に置いてかれてしまう!
私は急いでジャージを頭から被る。


それにしても、恋愛って何がきっかけになるか分からないもんだわ。
ナイスアシスト、ユキノ。
なんて、猫にちょっぴり感心してたとき、あるヒトの存在を思い出してしまった。


雪乃。
橘センパイが好きになった唯一の女の人。
センパイを女タラシにした張本人。


センパイの側にいられるならそれでいいやって、過去は追求しないようにしてたケド、本当はずっと気になっていた。


私をカノジョにしてくれたってコトは、もう吹っ切れてるって思っていいのかな。
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