この男、偽装カレシにつき
ふと、雪乃と私は雰囲気が似てるって言われたのを思い出した。


「ねー、純ちゃん。
私ってどんなヤツ?」


髪を頭のてっぺんでお団子にくくりながら、ちょっと試しに聞いてみる。


「やることなすこと遅い」


うっ。
純ちゃんてば、相変わらずヘビーなパンチ持ってるわね。


「そしてドジ」


ようやく着替えた私に、純ちゃんはさらにパンチを繰り出す。


ド、ドジって。
否定はしないケド。
もうちょっと言いにくそうに言ってよ。
頬を膨らませる私を、純ちゃんが指差す。


「今もホラ。
表と裏、間違ってるし」


見れば、裏返ったジャージには縫い目がバッチリ。


キャーッッ。
お母さんてば。
私が脱ぎっぱなしたまま洗濯したわね!


慌ててジャージを着直した頃には、薄情な純ちゃんの姿がなかったのは言うまでもない。
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