この男、偽装カレシにつき
ア、アヤ…?


何だ、雪乃じゃなかったのか。
紛らわしいにも程があるっつーの!


突っ込みながらも、安心してる自分がいるのは否めない。
何だかんだ言って、まだ雪乃と直接対決する準備はできてなかったみたい。


橘センパイが私を顎で指しながら、アヤさんに紹介する。


「これ、チエ。
カノジョ」


なぬーっ?!
私は驚いて橘センパイをガン見する。


今、チエっつった?
初めて名前呼ばれたんですケド!
つーか、私の名前知ってたのね!(ちょっと疑ってた)


カノジョって言われたのも初めてだし。


なんかいつもと違わない?


普段私が立ってても気にも止めないくせに、アヤさんにはちゃっかり席を譲ってあげてるし。


まさかコイツ、美人な元カテキョの前だからって、猫かぶってんじゃないでしょうね?
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