この男、偽装カレシにつき
嘘っっ!
あんなにほわんとしてたのにT大卒?!
まるで『どうしてカノジョがT大に?』の広告みたいじゃん。
人って見かけによらない。


でも、名門進学校をお受験するための家庭教師だったんだもんね。
それくらいの学歴がないと務まらないのかもしれない。


美人な上に頭もいいなんて、天は二物も三物も与えるのね。
一つくらい分けてよ。


「ますますファンになっちゃった。
どこに住んでるの?
彼氏いるの?」


「…つーか、お前さ」


次々と疑問を投げかける私に、橘センパイは眉間に皺を寄せた。


「すげー近いんだけど。
…誘ってんの?」


気付けば私は、まるで膝の上に乗っかるくらいの勢いでセンパイに迫っていた。
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