この男、偽装カレシにつき
わわわわっ!
顔、近っっ!!


慌てて飛び退こうとしたとき、私の腕を掴んだセンパイにそれを阻止された。


「どうせ誘うなら、もっと色っぽく誘えよ」


そのまま押し倒されて、私の視界はぐるりと90度回転する。


その動作は強引だったにも関わらず、センパイは一切の衝撃も与えることなく、あっという間に私を床に組み敷いていた。


て、手際が良すぎる…!


整いまくった顔に見下ろされて、私の頭は一瞬にしてパニックになる。


あ、あれ?
そもそも、なんで私、センパイの部屋にいるんだっけ?


ああ、そうだ!
このままだと一生ショジョを守り続けてしまいそうな私を心配した純ちゃんが(余計なお世話だっつーの!)、勝手にセンパイの家に行く約束を取り付けちゃったんだ。
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