この男、偽装カレシにつき
って、オーイ!
何がっかりしてんのよ!


マズイ、純ちゃんに洗脳されかけてる。
目を覚ませ、私!
一度失ったらショジョは返って来ないぞ!


我に返ってあられもない姿を正そうと、慌ててブラウスのボタンを閉じたとき、


「これでも食っとけ」


センパイが不意に私の口に何かを放り込んだ。


モグモグモグモグ。
チョコだ、ウマッ。
お腹が満たされると、何だか少し落ち着いてきた。


色気のない私に呆れてるかと思ったケド。
センパイってば、なんだかんだ言って優しいじゃん。
なんてキュンとしかけたとき。


「…俺のチョコ食わせてやったんだから、お前のそのイチゴ寄越せよ」


センパイは私を指差して、しれっと言った。
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